スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

島に一人、王様気分

チャンネル・アイランド国立公園、 カリフォルニア州
Channel Islands National Park, California

 Channel IS

 

チャンネル・アイランドは、ロサンゼルスとサンフランシスコ間に位置するサンタバーバラ沖に浮かぶ、大小5つの島(アナケーパ、サンタ・クルズ、サンタ・ロサ、サン・ミグエル、サンタ・バーバラ)からなる国立公園だ。ここは、灯台とそれを管理するレンジャーが住むだけで、他には宿泊施設も水も食料もない離れ島。島に滞在するにはキャンプするしかないが、カリフォルニア州ベンチュラとサンタバーバラからフェリーが毎日出ているので、気軽に日帰りで行くこともできる。しかし、島の素晴らしさを満喫するにはやはりキャンプが一番だ。出かける前のウキウキした気分は子供が遠足に出かける時のようで、何歳になっても楽しい。そして、キャンプでの一番の楽しみは、やはり食事。ロサンゼルスのダウンタウンで日本食をたっぷり買い込んで、ボクのバックパックははち切れんばかりに膨らんだ。


 Channel IS


思いがけない歓迎:
チャンネル・アイランドの5島は、すべてにフェリーの発着場とキャンプ場がある。その中でも最も人気なのは、本土から一番近いアナケーパ島だ。ベンチュラとサンタバーバラから出ているフェリーで島までは14マイル、所要時間は約1時間半。この辺りの海は冷たい潮流が流れ、気温が上がる春先は毎日濃い霧に覆われる。 そんなミルク色の霧の海を、フェリーは縫うように進んだ。船に揺られながら気持ちよくうたた寝を楽しんでいると、他の船客がざわめき出した。なんと、フェリーに平行して何十頭ものイルカの群れが泳いでいたのだ。群れはフェリーの下をくぐって大きくジャンプし、はしゃぎ回る。すると、今度は近くで、大きなクジラのブローイング(潮吹き)が始まった。2頭のマッコウ・クジラがゆっくりと水面に浮上してきた。真っ黒な潜水艦みたいな胴体からプシューッと潮を吹き、尾ヒレが反転して、水中に沈んでいった。この辺りは、往復1万2000マイルに及ぶ彼らの渡りのルートになっているらしい。思いもかけぬクジラとイルカの歓迎を受けながら、フェリーはアナケーパ島のシンボル、アーチロックに到着した。

 Channel IS


まるで自分の島:
 船着き場から切り立った崖の階段を上るのがアナケーパ島での初仕事だった。階段は154段。カメラ機材と大きなキャンプ用具を2キロ離れたキャンプ地まで運ぶと、日頃の運動不足がたたり、くたくたになった。ちょうど産卵の時期だったらしく、島では卵を抱いた海鳥たちが足の踏み場もないくらいあちこちを占拠していた。彼らは部外者の侵入を知ると、けたたましい鳴き声で仲間同士で連絡し合い、ボクを威嚇した。特にヒナが孵った親鳥は始末が悪い。一羽が騒ぎ出すとその一帯が大騒ぎとなり、上空から鋭いくちばしで攻撃してきた。どうにかこうにか鳥たちの攻撃を避けテントを張ると、やっと一息つくことができた。 島は春の花の盛りで、アイスプラントという真っ赤な花がじゅうたんを敷き詰めたように島じゅうをびっしり覆い、その花畑の中で首だけ出したアメリカオオセグロカモメが卵を暖めていた。灰色ペリカンは編隊を組み、音もなく頭上を通り過ぎた。島にはボクの他に人影はなく、小さな島がまるで自分のものになったみたいに思え、急に元気が出た。大声を出しても、変な格好で跳びはねても、見ているのは鳥たちだけだ。ボクはキャンプ地の周りを歩いて、地名を命名しなおした。島の王様気分だった。

 CI-11.jpg


贅沢な時:
夕方になり、水を節約しながら食事の準備に取りかかった。一日で一番楽しい時間だ。ふっくらと炊き上がった御飯と、インスタントカレーとタクアンだけだったが、それでも美味しかった。食後、ボクは自分の領土(?)を散歩した。キャンプ地から東側のトレイルは花畑の密集地で、いったんは「美ヶ原」と命名したが、すぐに「戦場ヶ原」に変更した。この辺には鳥たちの巣が最も多く、歩いているとまるでヒッチコックの映画みたいに何百羽もの鳥たちが群れを成して襲ってきたからだ。ボクは、頭上で棒切れを振り回して鳥たちを撃退したが、魚臭い糞の爆撃には閉口した。「戦場ヶ原」をうまく抜けると、切り立った断崖になり、岩場にはカリフォルニア・アシカが重なって昼寝をしていた。 灯台の裏手の急斜面にはペリカンたちの集合地があった。ここから風に乗り離陸し、そしてまた着陸して羽を休めていた。島の西の端は『インスピレーションポイント』と呼ばれる最も眺めのよい高台だが、ボクはすぐに「安らぎの丘」と命名した。そこからは夕日がとなりの島を赤く染めて沈んで行くのが見え、遠くではクジラが潮を吹いていた。心休まる風景だった。夕日が沈むとまた霧になった。テントに潜り込むと、星の代わりにサンタバーバラの町の灯りが優しくまたたいていた。潮騒を聞きながら静かで贅沢な時がゆっくりと過ぎていった。

 Channel IS


チャンネル・アイランド国立公園
 ■ 公園本部:ロバート・J・ラゴマーシノ・ビジターズセンター 住所 1901 Spinnaker Drive, Ventura, CA 93001、電話 805-658-5730 ■ 行き方:ロサンゼルスからUS 101でベンチュラかサンタバーバラまで行く。ベンチュラからはアイランド・パッカーズ社(805-642-1393 www.islandpackers.com)、サンタバーバラからはトゥルース・アクアティクス社(805-963-3564 www.truthaquatics.com)のフェリーが出ている。キャンプする時は、ここでキャンプ場の予約と帰りのボートの予約も行う。フェリーのツアーは、降船しない島巡りのツアーと、昼前に島に上陸し夕方迎えに来たボートで帰る日帰りコースやダイビングツアーなど、予定と好みに合わせて選択する。週末は混むので早めの予約が必要。島には水がないので、水や食料、暖かい衣服は忘れずに。


ブログランキングに参加しています。クリックして下さい。
スポンサーサイト

テーマ : 風景写真
ジャンル : 写真

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

カズさん

Author:カズさん



全米の国立公園全58カ所を踏破したカメラマンが、60歳を機にアメリカ探険に再挑戦。観光では行けない、大自然と野生動物たちとの出会い。そして故郷日本へ帰り日本の野生動物、心の風景そして祭りに感動、28年ぶりの「日本再発見」を紹介します。それぞれの作品はデジブックのスライドショーで楽しめます。



HPへはこちらから

カウンター
最新記事
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最新コメント
カテゴリ
フリーエリア
ワイオミング州の旅行情報
ワイオミング州の旅行情報> トリップアドバイザーにお勧めブログとして認定されました。
リンク
ご連絡はこちらから

お名前:
あなたのメールアドレス:
件名:
本文をお書き下さい:

検索フォーム
QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。