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歓喜の季節

 ヨセミテ国立公園 (世界遺産), カリフォルニア州 
Yosemite National Park (world Heritage site), California

 

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ヨセミテの谷からは、四季それぞれの歌が聞こえてくるという。夏、雪解けの水が瀑布となって流れ落ちると、その音に眠りを覚まされたごとく木々の葉が輝き、生き物たちが一斉に歌い出す。歓喜の季節だ。 秋、喧噪の夏が終わり、草原が黄金色に輝き出すと、谷に静寂が訪れ、空気までがうすく張りつめてくる。心寂しいセレナーデの音楽だ。 そして冬、山々に雪が降り、神々の訪れを待つかのように谷は眠りにつく。あんなに賑やかだった谷から人々の姿が消え、山はモノトーンの世界に変わり、そしてその森は動物たちに返される。

 

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アメリカの国立公園第一号は、1870年に誕生したイエローストーン国立公園だが、その時ヨセミテはすでにカリフォルニア州の州立公園に指定されていた。イエローストーンより交通の便が良かったヨセミテにはすでに多くの人たちが訪れるようになり自然破壊が始まったからだ。そしてイエローストーンに次いで1890年、隣接するセコイア、キングスとともにアメリカ第2番目の国立公園に指定された。ヨセミテ国立公園へは車でサンフランシスコ(5時間)やロサンゼルス(7時間)から簡単に行けるため、人気度は全米の国立公園の中でもナンバーワンだ。とくに夏場はパーキングを探すのも難しいくらいいつも混雑している。そんな理由からヨセミテへの旅はこれまで冬ばかりだった。しかし、冬は雪のために閉鎖される道路もあって、夏場しか行けないグレイシャーポイントからの雄大な眺めや、バーナル滝の豪快な瀑布がいつも心残りだった。

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そんな初夏のヨセミテを訪れるチャンスがようやくやって来た。6月、ヨセミテは満ちあふれる光に輝いていた。雪解けの水は至る所に滝を作り、その水しぶきが谷全体を優しく包み込んでいるようだった。その滝も夏には枯れてしまう、つかの間の水の響宴だ。ボクはこれまで行けなかった、ハーフドームの裏側にあるバーナル滝と、その上にあるネバダ滝へのハイキングに挑戦することにした。

ここのトレイルは、下流のバーナル滝までが往復約4.8キロ、その上にあるネバダ滝までが約11.3キロ。標高差570メートルで、そのままジョンミュアー・トレイルからハーフドーム・トレイルへと続き、ハーフドームの頂上まで登ることができるが、ここまで行くには、強い体力と、まる一日がかりの時間が必要になる。
 トレイルの出発は、カーリー・ビレッジの先にあるハッピー・アイルの駐車場から始まる。マーセド川を見ながら、始めはダラダラとした上りが続くが、トレイルの分岐点からミスト・トレイル(霧のトレイル)に入ると、上りは急になり、轟音を響かせて落下する水しぶきを浴びながら、滑る岩場を一歩一歩前進する。そして最後の急坂を鉄柵につかまりながら登りきるとバーナル滝の頂上だ。ここで一息ついて流れ落ちる滝つぼを眺めると、先ほどまでの苦労も報われる。


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 しばし休んで濡れた衣類が乾くと、今度はもっと厳しい上りが続くネバダ滝への挑戦が始まる。ここからの上りが、このトレイルの正念場だ。水を飲みながら休憩する回数が急に増える。軽装の若者たちに追い越されながら、思うように動かない年取った自分の体を恨めしく思いながらも、しかし一歩、一歩前進する。山登りには見栄も外見もない。自分の体力を信じて前進するか、または諦めて後退するかだ。なんだか人生とよく似ている。先ほど颯爽とボクを追い抜いて行った、派手なバンダナを頭に巻いた若者を頂上近くで追い抜いた。そして目指すネバダ滝がすぐ近くに迫ってきた。山の上は乾いた風が流れ、額の汗に心地よかった。山肌を流れる雪解け水に咲く小さな百合が心を癒してくれる。頂上につき冷たい水に足を浸すと体の芯まで癒されるみたいだった。今度は山を下りて、グレイシャーポイントまで一気に車で登った。ハーフドームに連なる山々がパノラマに広がり、ゆっくりと色を変えて夕日とともに沈んでいく。先ほど登ったバーナルとネバダ滝を眼下に望み、しばし至福の時に包まれた。山に来て一番幸せな時間。ハーフドームはやがて紫色に色を代え、あたりの闇にとけ込んで行った。

 

 パノラマ3

 


ホースティル・フォール(馬のしっぽの滝):

2月のヨセミテは夏の喧噪から逃れて、一番静かな季節だ。ストックトンから120号線をオークディールにはいると桃の花が満開で甘い風が一面に漂っている。谷に近づくと気温は下がり雪の状態によってはタイヤにチェーンを巻かなければならない。バレンタインディを挟んだ1週間ボクは3回もヨセミテにやって来た。それはエルキャピタンの頂上から流れ落ちる滝しぶきの写真を撮るためだ。誰が名付けたか「馬のしっぽの滝」この時期、この滝が夕日を浴びて真っ赤に燃え上がるのである。バレンタインディの1週間は太陽の沈む角度と下から見る角度がちょうど最高の状態になるからだが、もちろん霧や雲の影響で太陽の光が弱ければ期待したような赤い色にはならない。

 

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夕刻になるとエルキャピタンを見上げられる谷底には人々がぞろぞろと詰めかける。まるで野外劇場に詰めかけた観客みたいだ。夕日が沈むにつれ馬のしっぽはだんだんと色を変えて行く。風に吹かれ水しぶきがまるで馬のしっぽのように細い糸になり炎のように燃え上がる。やがて滝は地底からわき上がる火山のマグマに姿を変え闇に消えた。誰もが声を失う瞬間だ。噂でしか想像出来なかった自然が作り出す芸術をやっと自分のものに出来た喜びのときだった。


 

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(この写真はナショナルジオグラフィック日本版、2007年9月号に掲載されました。)

 

『ヨセミテ国立公園の楽しみ方』

PO. Box 577 Yosemite NP, California 95389 TEL:559-372-0200  http://www.nps.gov/yose

入園料$20

行き方:サンフランシスコから車で約5時間(300キロ)、ロサンゼルスから7時間、サンフランシスコからは日帰りのツアーバスも出ている。レンタカーだとフレズノかサクラメントが近道。ホテル、モテル予約と主な宿泊施設は、NP Reservation Inc. http://www.yosemitepark.com/Accommodations.aspx (TEL.801-559-4884)が一括して予約を受付ている。

  • Curry Village: ($50-$100) シャワーなしテントキャビンからルームまで。
  • Yosemite Lodge: ($100-$150) 2ベッド、シャワー付き。
  • The Ahwahnee: ($200-$300) 高級ホテル。

夏場は込むので公園内に泊まろうと思ったら半年前の予約が必要。予約が取れなかった場合キャンセル待ちの手もあるので早めにロッジまで行ってみる。

見所:

ヨセミテ国立公園を効率よく見て回るには、無料のシャトルバスを利用するのが一番。バレーの東側のみを巡回するシャトルバスだが、宿泊施設や土産店などにも立ち寄るので大変便利だ。滝、冬から真夏にかけて流れる、高さ2,425フィートのヨセミテ・フォールや、リボン・フォール(1,612フィート)やホーステイル・フォール(1,000フィート)など、大小7つの滝がヨセミテに流れる。写真のベストスポットはいろいろあるが,先ずグレーシャー・ポイントから眺める谷全体の景色がナンバーワン、そしてワウォナ・ロードにあるトンネル・ビューからの眺めも素晴らしい。バレーから4,000フィートの高さにあるハーフ・ドームと、ロッククライマーに人気があるのは高さ3,000フィートのエル・キャピタンが最も有名。その東側には「三姉妹」と呼ばれる岩山を見ることができる。ヨセミテ国立公園の南口近くのマリポサ・グローブ周辺には、世界で最も背の高い木として知られるセコイアが生息している。

 

 

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白からピンク、赤,オレンジと雄大で美しいヨセミテに感動!
仕事休んでカメラ持って・・・行きたくなりました。

また、拝見させて頂きます。
暑さ負けず益々のご活躍楽しみしております。
プロフィール

カズさん

Author:カズさん



全米の国立公園全58カ所を踏破したカメラマンが、60歳を機にアメリカ探険に再挑戦。観光では行けない、大自然と野生動物たちとの出会い。そして故郷日本へ帰り日本の野生動物、心の風景そして祭りに感動、28年ぶりの「日本再発見」を紹介します。それぞれの作品はデジブックのスライドショーで楽しめます。



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