スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

”死の谷”で入る温泉は天国気分


デスバレー国立公園, カリフォルニア、ネバダ州
 Death Valley National Park, California, Nevada






”死の谷”で入る温泉は天国気分 

砂丘の日の出




 



 

砂丘を撮影するために月の光を頼りに、まだ暗い夜道をのぼり朝日の上がるのを待った。身も焦がすかと思われた昼間の灼熱も、猛烈な砂嵐の夜も終わり、朝の光とともに神々しいほどの荘厳があたりを包んだ。生き物の存在を否定するような過酷な自然は、しかし時として言葉にならないくらいの美しさで見る者を圧倒する。やがて姿を現した真っ赤な太陽は見事な早さで風が作った波紋の一筋一筋を浮かび上がらせて行く。風と砂の彫刻を太陽が演出した砂漠の芸術。デスバレーが一番美しく輝くひと時だ。

「デスバレー(死の谷)」、名前が示すように、ここには生を拒否するようなむき出しの自然と、反対に人々を魅了して止まない美しさが同居している。デスバレーのいわれは1849年、ゴールドラッシュまで遡る。一獲千金を夢見て男たちの一団がこの谷を越えてカリフォルニアへ行こうとしたが、地獄の暑さと食料不足などが重なって危うく遭難しかけ、やっと助かった一行の一人が谷を振り返り叫んだ「Good by Death Valley」。
この言葉がそのまま名前になったといわれる。国立公園に指定されたのは1994年とまだ新しいが、ラスベガスから約3時間で行ける地の利と、変化に富んだ地形や気象条件で人気を誇っている。


 Death ValleyパノラマC Death ValleyパノラマB Death ValleyパノラマA

砂丘の朝


8月の末、ボクは初めての灼熱地獄と呼ばれる、真夏のデスバレーに挑戦した。レンジャーステーションにつくと、パークレンジャーが白い歯を見せて笑った。「今日はとっても涼しいよ!」午前10時, 寒暖計はすでに110度F(43度C)を指していた。なーに先週は120度F(50度C)の日が2日もあったんだ。

 何もこんな暑いところにわざわざ行く事もないのに?ボクの愚行?を友人たちが笑った。しかし摂氏50度Cの暑さがどんなものか自分の身体で確かめたかった。アメリカで一番暑い場所、デスバレーのこれまでの最高気温は1913年7月に記録した134度F(57度C)だ。この時は5日間も摂氏50度以上の日が続いたという。ちなみに世界一の暑さは1922年、サハラ砂漠で記録した58度だ。わずか一度違いで世界で二番目の記録に甘んじてはいるが世界一暑い場所には違いはない。


”死の谷”で入る温泉は天国気分

悪魔のゴルフ場


公園の中心部ファーナス・クリークにはホテルやレストラン、それに本物のゴルフ場と温泉まである、だがこの暑さでは誰もゴルフなどやりたいとは思わないだろう。デスバレーにはもう一つ有名なゴルフ場がある。その名もデビルズ・ゴルフコース(悪魔のゴルフ場)だ。塩の結晶が見渡す限り続くデコボコのゴルフ場は、悪魔たち以外にプレーすることはできそうにない。その南側にはバッドウォーターと呼ばれる塩分の濃い干涸びた塩の平原が広がる。海抜マイナス85.2メートルという西半球の最低地点があり、デスバレーの中でもここら辺がもっとも高温になるところだ。


SDIM1950.jpg  
バッドウォーターの塩のパターン

この過酷な自然は時として常識では考えられないような不思議な現象を生み出す。公園の北部にあるスコティズ・キャッスル(Scotty's Castle)の手前、グレープバインのレンジャーステーションからレーストラックロードを約45キロほどバック・カントリーに入ると、湖が干涸びてできた広い平たんな湖底に突き当たる。この乾燥した湖は不思議な小石のレース場になっていた。小石たちは目に見えない長い時間をかけて動き回り、泥の上にレースの後の車の轍のような長い跡を残している。


DV-3.jpg
レーストラックの小石の轍あと (この写真は冬に撮影)



「どうして?なぜ?」
この不思議な光景に首をかしげずにいられない。この小石がどうして泥の上を動くのか正確に解明されていないが、急激な温度差と強風、それに水分を含んで餅みたいに粘り気のある泥が収縮して重い石を動かすのではないかといわれている。しかしそんな科学的根拠はここでは必要ない。気温はすでに50度近くになっているはずだ。ボクは轍を引いた石の真ん中に座りしばし瞑想に入った。じりじり照りつける太陽に焼かれながら音のない世界はボクの心を現実から遊離して違う宇宙に来たような気分にさせてくれた。


”死の谷”で入る温泉は天国気分

レーストラックの小石の轍あとで瞑想する

IMG_3218A.jpg



砂漠の熱気は夕方になっても一向に下がる気配がない。何の因果かこんな暑い場所に住み着いたカラスたちが口を開けて大きく息をしていた。砂にまみれた汚れたシャツには白く固まった汗がこばりついてはなれない。心も身体も疲れてぼろぼろだ。今一番したい事は? ボクの心の中に温泉のサインが逆らえない誘惑となって湧き上って来る。 泊まっているモーテルのエアーコンは昼も夜も、大きな音を立てながら喘ぎ喘ぎ動いていた。このストーブパイプ・ウエルズのモーテルから約60キロ走れば、公園の外側にあるネバダ州側のベイリーズには温泉が湧いている。

ボクは日の落ちるのも待ちきれず車を飛ばした。温泉はビティの町からさらに北へ10キロ進んだところにあり、そこは小さなRVパーク(オートキャンプ場)になっていた。ネイティブアメリカンのおじさんが古いRVを事務所がわりに一人で番をしていて、入浴料は5ドル、プライベートな小屋が三つあり、中は10メートル四方のコンクリートで仕切っただけの浴槽があった。お湯は体温と同じくらいの低温とそれよりちょっと高めの高温の2種類が湧いていた。おじさんは「ほかに誰も来ないからいつまでいても良いよ」と鍵を渡すとまたRVの中に引っ込んだ。

ボクは冷泉の方に飛び込んだ。
これぞ極楽!
温泉のヌメーッとした感触が体中にまとわりついて来る。
灼熱地獄で焼かれた体中の組織が優しく癒され、ほぐされるようだった。
「Good by Death Valley !」「そして貴重な体験をありがとう!」

2009年8月26日)



”死の谷”で入る温泉は天国気分
ザブリスキポイントからの日の出



行き方:
 

Death Valley National Park www.nps.gov
Highway 190 Death Valley, CA 92328 (760) 786-2331

公園はカリフォルニア州とネバダ州に位置するが、ネバタ州ラスベガスから入るのが近くて便利だ。国道15号から95号をまっすぐ北へ、Lathrop Wellsで127号に入り、Death Valley Junctionから190号線で公園の中心部ファーナス・クリークに入る方法と、95号線で直接ビティの町まで行き、そこから376線でStovepipe Wells Villageへ入る方法がある。

公園内の宿泊:

園内には3か所の宿泊施設がある。

Stove Pipe Wells Village, State Hwy 190, Death Valley, CA 92328(760-786-2387)
 砂丘に近いので、朝夕砂丘の撮影をしたい人には便利。

 Furnace Creek Ranch, Hwy 190, Death Valley, CA 92328(760-786-2345)。
ビジターセンターの近くで、周囲にはゴルフ場、テニスコート、レストランなどもある。

 Furnace Creek Inn(760-786-2345)デスバレーで一番の高級リゾートホテル。


デスバレーの近くの温泉:

テコパ温泉:Delight's Hot Springs Resort 368 Tecopa Hot Springs Road Tecopa, California 92389(800-928-8808) http://www.delightshotspringsresort.com/

この温泉はデスバレー国立公園の南東に位置し、入浴料は一人10ドル。設備はベイリーズ温泉よりも整っている。ラスベガスからも近くて(75マイル)、わりと設備も整っていて食事持参で一日中温泉を楽しむ家族連れも目につく。 温泉は両方ともミネラル泉で、浴室はすべて個室なので水着がなくても大丈夫。日本の温泉とは比べものにならないほど質素だが、それでも砂漠で入る温泉は格別だ。

 ベイリーズ温泉: Bailey's Hot Springs(775-553-2395)ネバダ州側のビティから国道65号を5マイル北に行く。RVパークの中にあり、入浴料5ドル。日が暮れるとしまるので早めに行く事。


夏場のデスバレーは気温が摂氏50度まで上がることは常なので、水の補給と車の運転には十分気をつける。バック・カントリーのレーストラックへ行く道路はダートで途中寸断している場合もあるので、4WDの車高の高い車が絶対必要だ。パークレンジャーに相談するのが遭難を防ぐ絶対条件である。経験の乏しい人は夏場のバックカントリーへは入らない方が懸命だ。


ブログランキングに参加しています。クリックお願いします。

 

スポンサーサイト

テーマ : 登山・ハイキング
ジャンル : 旅行

プロフィール

カズさん

Author:カズさん



全米の国立公園全58カ所を踏破したカメラマンが、60歳を機にアメリカ探険に再挑戦。観光では行けない、大自然と野生動物たちとの出会い。そして故郷日本へ帰り日本の野生動物、心の風景そして祭りに感動、28年ぶりの「日本再発見」を紹介します。それぞれの作品はデジブックのスライドショーで楽しめます。



HPへはこちらから

カウンター
最新記事
カレンダー
07 | 2009/08 | 09
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
最新コメント
カテゴリ
フリーエリア
ワイオミング州の旅行情報
ワイオミング州の旅行情報> トリップアドバイザーにお勧めブログとして認定されました。
リンク
ご連絡はこちらから

お名前:
あなたのメールアドレス:
件名:
本文をお書き下さい:

検索フォーム
QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。